窪田氏が反乱軍によるサービス提供と市民の国内避難について議論 (22/12/2023)

 当該論文では、紛争中の公共サービスの提供は市民の福祉と生活の向上を図る反乱軍側の能力と意思を示すことで、市民が彼らのもとに留まる誘因を生み出していると論じている。このような議論は、反乱軍の支配地域において身の安全が不確かな場合にもかかわらず、なぜ一定の市民はそこに留まるのかという問いに対する知見を提供するものである。

 FATAで収集した独自の質問票調査データを用いた2段階ベイジアン傾向スコア分析の結果からは、反乱軍のサービスの提供を受けた市民は元の居住地域に留まる傾向があることが分かった。このことは、政府軍と反乱軍の戦火の中でも市民は長期的な目標を追求し、公共サービスの提供は生活の向上の可能性を考えるきっかけを与えていることを示唆している。2023年5月に刊行された論考の全文は以下リンクから参照のこと。

https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/00223433221079868

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