グローバル・ガバナンス推進委員会の長谷川祐弘座長と谷本真邦事務局長が地球規模課題をより効果的に対処できるために構成された六つの分科会がまとめた、国連改革、環境問題、軍縮問題、議員外交、国際連帯税、そして法の支配に関する提言を提出した。
長谷川祐弘 グローバル・ガバナンス推進委員会 座長は2020年4月9日に衆議院第一議員会館の会議室で世界連邦国会委員会会長の自由民主党衛藤征士郎衆議院議員と政界連邦国会「地球規模の課題や危機に取り組むべきグローバル・ガバナンスへ向けての日本の役割」委員会事務総長の立憲民主党中川正春衆議院議員にと題する答申提言を手交した。
答申提言を手交するにあたって、長谷川祐弘座長は現在感染が拡大している新型コロナウイルスや環境汚染や気候変動、軍拡競争の再開、紛争やテロ、貧富の格差拡大、金融、エネルギー問題といった地球規模的な危機や課題に対して、自国中心主義のウエストフェリア国家主権体制では有効に対処しきれなくなってきているという認識を持って政治指導者たちが行動することが重要とのグローバル・ガバナンス推進委員会の見解を述べた。そして、あらゆる分野において急速なグローバリゼーションが進行している今日の国際社会では、国境を越えた国際社会全体の利益と全世界の市民の安全と尊厳を守るために、地球の全ての地域と社会の指導者や市民と一体となって活動することの必要性を説明した。
日本国民は憲法で、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚し、全世界の人々がひとしく恐怖と欠乏から免かれ、安全と生存を確保できるように努力することを誓いました。そして国際社会の公正と正義を全うするために、今こそ、持続可能な人類共生の未来を切り開き、世界の市民と共に新たな世界観に基づいたビジョンを持って進むべきと述べた。そうすることによって自国の国民の安全と福利のみならず、普遍的な政治道徳の法則に従って、国際社会の全ての人たちの生命を守ることが、人類の崇高な理想と目的を達成することになります。
この全人類共同体の新たなビジョンに基づいて、グローバル・ガバナンス推進委員会は、2019年5月に設立されてから1年間かけて、分科会を構成して六つの地球規模課題に関して、どのように対応していくべきか討論し提言をまとめたことを説明した。
1. 「国連改革」 議長 神余隆博 関西学院大学教授、元国連大使
2. 「環境問題」 共同議長 沖大幹 国連大学上級副学長、高橋一生 アレキサンドリア図書館顧問
3. 「軍縮問題」 共同議長 阿部信泰 元国連事務次長、美根慶樹 元軍縮大使、小溝泰義 核軍縮の実施的進展の為の賢人会議委員
4. 「議員外交」 議長 長谷川祐弘 元国連事務総長特別代表
5. 「国際連帯税」 議長 上村雄彦 横浜市立大学教授
6. 「法の支配」 議長 佐藤安信 東京大学大学院教授
そして長谷川座長は各々の分科会の提言の要旨を述べ、詳しくは5月12日に予定されている、世界連邦国会委員会で、各々の分科会の議長に説明してもらうことにしていると述べた。
衛藤征士郎会長は、第一線で活躍されている深い洞察力に満ちた専門家による提言を重く受け止めると同時に、詳しく説明していただけることを楽しみにしていると述べた。現在、日本のみならず世界の多くの国々が直面しているコロナウイルスの感染拡大はまさしく気地球規模的な危機をもたらしており国際社会に深刻な影響を与えていると述べた。中川正春事務総長は国際社会が非常事態に遭遇している現実はグローバルなガバナンスがより効果的に生かして行く必要性を示していると述べた。