衛藤征士郎会長は第二次世界大戦後に世界の著名人が国際連合をより完璧な機関として強化し、いずれはより強力な世界連邦政府を設立して世界から戦争を無くすことを決意したことを説明した。そして日本でも同じ問題意識を共有した国会議員が1049年に世界連邦国会委員会を創設し、現在は約120 名の超党派の議員がメンバーとなっており、衆参両院で決議案を採択している。衆議院では平成17年(西暦2005年)8月2日に被爆六十周年に当たり、尚且つ国際連合が創設以来六十年にわたり、国際平和の維持と創造のためにした努力に敬意を表した。そして更なる国際平和の構築への貢献を誓約し、政府は、日本国憲法の掲げる恒久平和の理念のもと、唯一の被爆国として、世界のすべての人々と手を携え、核兵器等の廃絶、あらゆる戦争の回避、世界連邦実現への道の探究など、持続可能な人類共生の未来を切り開くための最大限の努力をすべきであると決議した。参議院では日本の国連加盟60周年にあたる平成28年(2016)5月25日に更なる国際平和の構築への貢献を誓約する決議を採択してパリ同時多発テロをはじめ、世界各地で紛争・テロが続いているさなか、大量破壊兵器やミサイル技術の開発・拡散、難民・貧困問題、地球温暖化に伴う災害の増加、感染症をはじめとする疾病の拡大など、国家の枠組みを超え、世界全体で対処すべき課題が山積しており、国際連合が創設以来多年にわたり、国際平和の維持と創造のために貢献してきたことに敬意を表し、日本が率先して人類の平和と助け合いのために努力することを誓ったことを説明した。日本は憲法が掲げる恒久平和の理念のもと、国際機構の改革強化を目指しつつ、国際法の発展、核兵器廃絶など軍縮外交の推進、また人間の安全保障の実現を含む世界連邦実現への道の探求に努め、平和な未来を確実にするための最大限の努力をすべきであると明示したことは有意義であると語った。そしてこの高い理想に向けて世界連邦国会委員会の会長として勤めていく意思を表明した。
(脚注:1946年10月ルクセンブルクで「世界連邦政府のための世界運動」を起こした。この運動にはバートランド・ラッセル、アルベルト・アインシュタイン、アルベルト・シュヴァイツァー、ウィンストン・チャーチル、湯川秀樹などのノーベル賞受賞者が賛同された。このとき本部をジュネーヴにおいた。日本では国会の中にも「戦争のない世界を実現するため党派を超えて立ち上がろう」という動きが始まり、1949年12月20日、衆議院議長松岡駒吉氏が会長・参議院議員田中耕太郎氏が副会長となり104名の超党派の衆参両院議員によって世界連邦日本国会委員会が結成された。現在は約120 名の超党派の議員が加入しており、衆議院では平成17年(西暦1990年)に国連創設及びわが国の終戦・被爆六十周年に当たり更なる国際平和の構築への貢献を誓約する決議を採択した。この決議で国際平和の実現は世界人類の悲願であるにもかかわらず、地球上に戦争等による惨禍が絶えない、そして戦争やテロリズム、飢餓や疾病、地球環境の破壊等による人命の喪失が続き、核兵器等の大量破壊兵器の拡散も懸念されると述べた。そしてこのような国際社会の現実の中で、本院は国際連合が創設以来六十年にわたり、国際平和の維持と創造のために発揮した叡智と努力に深く敬意を表する。 われわれは、ここに十年前の「歴史を教訓に平和の決意を新たにする決議」を想起し、わが国の過去の一時期の行為がアジアをはじめとする他国民に与えた多大な苦難を深く反省し、あらためてすべての犠牲者に追悼の誠を捧げるものである。そして政府は、日本国憲法の掲げる恒久平和の理念のもと、唯一の被爆国として、世界のすべての人々と手を携え、核兵器等の廃絶、あらゆる戦争の回避、世界連邦実現への道の探究など、持続可能な人類共生の未来を切り開くための最大限の努力をすべきである。)