窪田氏ほかが紛争時のサービス提供と市民の国家意識について議論(16/09/2024)
紛争後社会の復興に際しては平和な環境が重要であるものの、そうした社会では国家の正当性に関する土台が欠如しているため、暴力の不在自体がすぐさま発展に向けた動きにつながるわけではない。当該論文では、市民が持つ国家の正当性に関する認識が紛争時の公共サービスの経験によってなぜ、またどのように高まる(もしくは低まる)のか、について検討している。
紛争後社会の復興に際しては平和な環境が重要であるものの、そうした社会では国家の正当性に関する土台が欠如しているため、暴力の不在自体がすぐさま発展に向けた動きにつながるわけではない。当該論文では、市民が持つ国家の正当性に関する認識が紛争時の公共サービスの経験によってなぜ、またどのように高まる(もしくは低まる)のか、について検討している。
GPAJ理事の坂根宏治が明石書店から出版される『スーダンの未来を想う:――革命と政変と軍事衝突の目撃者たち』にて、論文「スーダンのアイデンティティ、民主化と開発プロセス」を執筆しました。(7/8/2024)
前JICAスーダン事務所長の坂根宏治氏(GPAJ理事)が、日本とスーダンおよびアフリカとのパートナーシップと開発支援についてまとめた論文が、“Asia-Pacific Review”誌に掲載されました。
日本国際平和構築協会の会員である窪田氏が、Remaining behind in the communityと題する最近の著作で パキスタンの旧連邦直轄部族地域(FATA)における反乱軍のサービス提供と市民の国内避難の関係に関する議論を行っている。より詳細はここをクリックして下さい。
2015年に出版された東教授の著書 “Challenges of Constructing Legitimacy in Peacebuilding”では、紛争後の平和構築において、人々が自発的に法令に従う正統性ある現地政府を樹立するための4つの条件として、1.国連の役割、2.広範な政治参加(包摂性)、3.政府サービスや生活の向上、4.軍や警察の整備が重要だと指摘されている。これまで、3と4にはフォーカスが当たってきたものの、1と2について、見過ごされてきたが、それも非常に重要だという論点だった。今年出版された同氏の “Inclusivity in Mediation and Peacebuilding” という著書では、広範な政治参加(包摂性)について、紛争後の平和構築の段階では非常に重要だと考えるが、紛争下の和平調停においては、場合によっては交渉当事者を絞るなど、柔軟に対応する必要があるという主張を行っている。また、国際的アクターについては、紛争後の平和構築の段階では公正な第三者として国連の関与が重要であることは学問的にも国連総会決議でもコンセンサスが得られているが、紛争下の和平調停においては周辺国ならびにグローバルな大国が主要な役割を果たすべきと主張している。
国連で平和活動の最前線に立った著者が、ブートロス=ガーリの「平和への課題」から、コフィ・アナンの「より大きな自由を求めて」、潘基文の「HIPPOパネル」設立、そしてグテーレスの「紛争予防」政策の軌跡を振り返り、何が紛争解決と予防に決定的な役割を果たすのかに切り込む。
日本の元外交官で東京大学客員教授、外務省経済局局長、エジプト駐箚特命全権大使、カナダ大使などを歴任された石川薫氏が小浜裕久教授と、アフリカでの歴史を踏まえて、教育、医療、高付加価値農業の開発課題を語り、高みから教えるのではなく、相手に寄り添いながら、アフリカの潜在力を引き出す姿勢の必要性を説く。 (写真: 在カナダ日本国大使館)