「日本の国際平和協力―過去、現在、そして未来へ―」〔久島直人 内閣府国際平和協力本部事務局長〕(27/07/2022)
内閣府国際平和協力本部事務局長の久島直人氏は、開始から30周年を迎えた国連平和活動への日本の参加について説明した。そして、日本の過去の国際平和協力活動の経験を振り返えるとともに今後についての見解を述べた。このセミナーは井上大樹が準備運営し、報告書は Maciej Witek が編集した。
内閣府国際平和協力本部事務局長の久島直人氏は、開始から30周年を迎えた国連平和活動への日本の参加について説明した。そして、日本の過去の国際平和協力活動の経験を振り返えるとともに今後についての見解を述べた。このセミナーは井上大樹が準備運営し、報告書は Maciej Witek が編集した。
冒頭、事務局より、日本の難民受入れの現状を説明したうえで、日本の難民認定は政治的に行われているのかとの問題提起がなされたのち、人権弁護士として長年、日本の難民受入れ制度の改善に尽力している大川弁護士から、日本の入管の問題や、難民認定の実情、入管法改正等について、具体的事例を交えながら説明していただいた。
ロシアはウクライナ侵攻直後の2月25日の国連安全保障理事会で、侵攻を非難する決議案の採決で拒否権を発動し、葬り去った。その後、国連総会で非難決議が可決されたものの、拒否権を持つ常任理事国が公然と近隣国を侵略した場合、安保理は機能不全に陥るという構造的な問題を改めて浮き彫りにした。
元セルビア大統領のタディッチ氏、コソボに対する彼の見解からプレゼンテーションを行った。 2008年の大統領としての演説で、国連総会の第63回会期で、彼はコソボが世界平和を脅かす危機であると警告した。彼は、コソボの潜在的な優先順位が国際の平和と安定にとって大きな問題であることを強調した。その演説は、国際司法裁判所(ICJ)からのコソボの独立に関する勧告的意見を要求するセルビアの決議への支持を求める文脈でした。タディッチ氏は、コソボが一方的な独立宣言によって国際法を破った場合にセルビアの質問にどのように答えるかを決定する際にICJが負った世界的責任について国際社会に送られた最初の公式警告であったと信じています。西側によって設定されたそのような優先順位が、世界中のホットスポットに火をつけることの正当化になるだろうという警告でした。 ICJは、独立を宣言した機関は国際法の主体として認められていないと述べて質問に答えることを避けたので、その文脈では、国際法を破ることはできなかった。セルビア側はこの答えを国際法が破られたと解釈し、それ以来アルバニア側はそれを法に違反していないと解釈してきた。
国連ニュースによると、国連総会議長のアブドゥラ・シャヒド氏が、6月9日金曜日に、総会で行われた選挙で、2023年1月から2024年12月までの2年間、日本がエクアドル、マルタ、モザンビーク、スイスとともに国連安全保障理事会の非常任理事国に選出されたと発表した。(Photo: NEWS. UN. ORG)
第5回研究会では、日本における難民および難民申請者の支援活動の前線に立って活躍されている渡部カンコロンゴ清花氏(WELgee代表理事)を講師としてお招きし、WELgeeの取り組みについて紹介していただいた。
2015年に出版された東教授の著書 “Challenges of Constructing Legitimacy in Peacebuilding”では、紛争後の平和構築において、人々が自発的に法令に従う正統性ある現地政府を樹立するための4つの条件として、1.国連の役割、2.広範な政治参加(包摂性)、3.政府サービスや生活の向上、4.軍や警察の整備が重要だと指摘されている。これまで、3と4にはフォーカスが当たってきたものの、1と2について、見過ごされてきたが、それも非常に重要だという論点だった。今年出版された同氏の “Inclusivity in Mediation and Peacebuilding” という著書では、広範な政治参加(包摂性)について、紛争後の平和構築の段階では非常に重要だと考えるが、紛争下の和平調停においては、場合によっては交渉当事者を絞るなど、柔軟に対応する必要があるという主張を行っている。また、国際的アクターについては、紛争後の平和構築の段階では公正な第三者として国連の関与が重要であることは学問的にも国連総会決議でもコンセンサスが得られているが、紛争下の和平調停においては周辺国ならびにグローバルな大国が主要な役割を果たすべきと主張している。
ノーベル平和賞受賞者のジョゼ・ラモス・ホルタ氏は、東ティモールの独立20周年を記念する祝賀会に先立ち、2022年5月19日に東ティモールの大統領に就任しました。大統領の招待で、日本国際平和構築協会(GPAJ)の長谷川祐弘教授、水野孝昭教授、山田真弓教授、大門(佐藤)毅教授、稲田十一教授及び阿部明子会員が参加しました。(報告者 阿部明子)
昨年8月から実施された主要ドナー国によるアフガニスタン協力者の退避支援が紹介され、アメリカ、ドイツ、英国、カナダ、豪州に比べ、日本の退避支援が、受け入れ数の少なさに加えて、日本に協力したNGO職員の家族滞同を認めない、民間招聘の退避者に対しては日本人の身元保証人や雇用先の確保を求めるなど受け入れ条件が甚だしく厳しい実態が指摘された。