2018年5月26日土曜日に東京大学駒場キャンパスで開催された第30回セミナーで、スロヴェニアが新たな国として旧ユーゴスラビアからどのように独立したのか、そして難民と移住者の大量流入にどう対処しているのかについて、GPAJ会員が質問した。
日本国際平和構築協会は、5月26日に東京大学駒場キャンパスにて第30回セミナーを開催し、スロベニア共和国大使であるシモナ・レスコバール氏と東ティモール参事官ヌノ・アルバーレ・モニズ・マラケス・アルヴェス氏をお迎えし、ご講演いただきました。
まず、レスコバールスロベニア大使より、「スロベニアの成果と課題」についてご講演いただきました。
スロベニアは1992年に国連に加盟、2004年にはEUに加盟しました。経済的機会の不足や人権侵害を経験したスロベニアですが、パリ協定やSDGsなどの国際的な動きとともに、全ての人の繁栄と持続可能な未来への発展を目指し、飢餓撲滅、健康、環境などにおける開発に積極的に取り組んでいます。
また、安全保障に関しては、EUとの密接なパートナーシップのもと、近年著しい難民や移民による人の移動に対応しています。EUは救援活動、移動ルート上での取引や密輸の監視、安定化など包括的なアプローチをとっており、スロベニアはそういった取り組みのなかで警察官の派遣などを行なっています。
他にも、人権の尊重、法の支配、反テロリズムのための仕組みづくりなどの推進に意欲的に取り組んでいます。アジアも地域によって様々ですが、非常にセンシティブな状況です。このように、変化する政治状況や安全保障に対して、EUや日本といったパートナーとともに取り組んでいきたいと締めくくられました。
レスコバールスロベニア大使のご講演に対し、討論者からは、急増する難民や移民への対応が特に論点としてあげられました。他EU加盟国の国内では、難民や移民に対する閉鎖的な姿勢をとる傾向が広がりつつあるなか、スロベニア国内では、現時点では比較的過激な動きは見られず、国民の等質性などはスロベニアが発展した主要な要因であるのではといった議論が交わされました。