自民党からは伊吹文明元衆議院議長と共に大西英男、左藤章、三原朝彦の3人の衆議院議員と猪口邦子と武見敬三参議院議員が出席した。公明党より井上義久副代表、立憲民主党からは代表として福山哲郎幹事長、そして中川正春と山川百合子の2人の衆議院議員が参加した。国民民主党からは玉木雄一郎代表と浅野哲衆議院議員、維新の会からは馬場伸幸幹事長、共産党からは笠井亮衆議院議員そして社会民主党 福島瑞穂 党首が参加された。
冒頭、衛藤征士朗会長が第二次世界大戦後に世界の著名人が国際連合をより完璧な機関として強化し、いずれはより強力な世界連邦政府を設立して世界から戦争を無くすことを決意したことを説明した。そして日本でも同じ問題意識を共有した国会議員が1049年に世界連邦国会委員会を創設し、現在は約120 名の超党派の議員がメンバーとなっており、衆参両院で決議案を採択している。衆議院では平成17年(西暦2005年)8月2日に被爆六十周年に当たり、尚且つ国際連合が創設以来六十年にわたり、国際平和の維持と創造のためにした努力に敬意を表した。そして更なる国際平和の構築への貢献を誓約し、政府は、日本国憲法の掲げる恒久平和の理念のもと、唯一の被爆国として、世界のすべての人々と手を携え、核兵器等の廃絶、あらゆる戦争の回避、世界連邦実現への道の探究など、持続可能な人類共生の未来を切り開くための最大限の努力をすべきであると決議した。参議院では日本の国連加盟60周年にあたる平成28年(2016)5月25日に更なる国際平和の構築への貢献を誓約する決議を採択してパリ同時多発テロをはじめ、世界各地で紛争・テロが続いているさなか、大量破壊兵器やミサイル技術の開発・拡散、難民・貧困問題、地球温暖化に伴う災害の増加、感染症をはじめとする疾病の拡大など、国家の枠組みを超え、世界全体で対処すべき課題が山積しており、国際連合が創設以来多年にわたり、国際平和の維持と創造のために貢献してきたことに敬意を表し、日本が率先して人類の平和と助け合いのために努力することを誓ったことを説明した。日本は憲法が掲げる恒久平和の理念のもと、国際機構の改革強化を目指しつつ、国際法の発展、核兵器廃絶など軍縮外交の推進、また人間の安全保障の実現を含む世界連邦実現への道の探求に努め、平和な未来を確実にするための最大限の努力をすべきであると明示したことは有意義であると語った。そしてこの高い理想に向けて世界連邦国会委員会の会長として勤めていく意思を表明した。
自由民主党代表の伊吹文明元衆議院議長は世界連邦国会委員会が設立された1949年を振り返り、敗戦後の混乱期において厳しい環境の中にも家族で助け合いないながら生活を営なんできたことを思いだされた。そして日本の戦争を起こした過去を反省して、理想としての世界連邦を掲げることになったが、政治家は理想を掲げると共に現実の中で一つの結論を出す必要性を担っていることを指摘した。世界連邦と同じような理念で創設された欧州連合(EU) も問題を抱え、米国の力が相対的に弱くなってきていると共に米国では特殊のリーダーがおられる現実があり世界の秩序が不安定で流動的になっていると指摘した。その結果として国際機関の力が著しく弱く危機状態になっているのが世界の最大の危機であると明言した。国際機関の力を取り戻すにはどうしたら良いか長谷川先生からも示唆されると思うが、多くの指導者がこの現実と理想の狭間で苦しむことが多いと思うが理想を見失いで現実に立ち向かっていく為に、この世界が一つという精神を米中のみならず世界の政治指導者に持ち直していただきたいと語った。
伊吹文明氏の後に世界連邦国会委員会の中野寛成元会長からの祝電が披露された。そして中川正春事務総長の司会の下で、各政党の代表たち挨拶された。
公明党の井上義久副代表はグローバルガバナンス推進委員会が1年かけて討議して答申をしたことに謝意を示し、国連改革、地球環境、軍縮など6つの分野に起きて提言をされたことは有意義であった。また議員外交についても提言され、国連議員総会の設立や議員連盟の活性化など取り組むべきことがあることは確かです。そして環境問題など地球規模問題がありますが、この新型コロナ感染問題は差し迫った緊迫性があると、全ての国そして人々が当事者であり、世界で何十万人という人が亡くなっていることは質をことにしており、グローバルガバナンスを確立しなくてはいけないという認識であると述べた。
立憲民主党の福島哲郎幹事長が、グローバルガバナンス推進委員会には素晴らしい提言をしていただき、真摯に受け止めたい。この提言を生かしていけるように与野党で協力していきたいと思います。グローバライゼーションが進むなかにも一国中心主義が台頭している。大学院の入試にグローバリゼーションと単一主義に関する論文を書いたことに触れた。そして、不安定で混沌とした世界で日本がどのような役割を果たすべき検討していきたいと述べた。
玉木雄一郎国民民主党代表は、今は世界がどちらに向かって行くかの分岐点にいる。大きな目標に向かって世界が統一して進むことが重要であるが、国境を閉じて分断と孤立する傾向がある。国境を越えて蔓延する感染症には世界が協力して解決する必要があり、世界の国々の市民が一致団結して同じ方向を進むようにするのが政治の責任である。その為にはグローバルガバナンスを推進していくべきであると述べた。
維新の会の代表の馬場伸幸衆議院議員は、自由民主主義の理念のもと世界連邦推進の活動が行われていることに謝意をしめした。コロナウイルスのパンデミックは、グローバリゼーションの進む中での宿命的な出来事と言えるが、感染病は新らしいことではなく、スペイン風邪やコレラなど過去にも人類を脅かした。国際社会の連携で国境を越えた世界市民の安全とために国際社会が連携して一体になって活動することが望まれている。その為に、この世界連邦が推進されていくことを歓迎すると述べた。
共産党笠井昭政策委員長がグローバルガバナンス推進員会が1年かけてまとめた答申提言で地球環境、軍縮などの地球規模問題に政治指導者と市民が一体になって取り組む必要性と日本国憲法の精神も重んじて国際貢献をすべきとの点を指摘していることに共感したと述べた。日本憲法9条に基づいて持続可能な社会を構築するにあたって、今年75周年を迎えた被爆国の日本の役割を強調しており、国家を超えた問題には超党派で対応すべきである。世界連邦国会委員会は、このグローバルガバナンス推進会の6つの分科会の提言を受け止め、伊吹先生がご指摘されたように、米中の対立がるが戦後最悪のコロナ感染病のパンデミックと深まる格差問題には世界の全ての国が連帯すべきであるとのべた。
社民党の福島瑞穂党首は世界連邦国会委員会が国際平和、地球環境、紛争解決そしてコロナ感染病などの国を超えた世界問題を取り上げるにあたって、フランスの経済学者で思想家あるジャック・アタリ氏や世界的歴史学者・哲学者のユヴァル・ノア・ハラリ氏の見解は傾聴に値する。合理的な解決とは自分の利益だけを考えるのではない利他主義(Altruism)の精神を保つことが重要であり、「持続可能な開発目標(SDGs)」の核心的な目的はである“誰一人取り残さない”世界の実現のために一致団結して活動していくべきであると述べた。